「葉ね文庫」は、とある雑居ビル内に店を構える隠れ家的な書店。店主の池上きく子さんはWeb関係の仕事をしているそうやけど、大好きな本との繋がりを求めてこのお店を開いた。歌集や句集の新書・古書を中心に、デジタルとは一線を画す温もりのある本たちが、約8坪に所せましと並ぶ。「あこがれていた本に囲まれる空間をつくりたかった」と池上さん。店内に入る時は靴を脱ぐのがルール。店内ではリラックスしてほしいという思いがあるのだそう。スリッパに履き替えて、いざ入店。
足を踏み入れた瞬間、なぜかほっこりとした空気に包まれる。右側の壁に掛けられているたくさんの短歌は、お客さんたちが書いていったもの。思い思いの歌に思わずクスッと笑ってしまう。取り扱う本は新旧さまざま。新刊本は短歌や詩歌だけやけど、古本は漫画や小説もあったりする。一番古い本は昭和初期のもので、歴史の一片を感じさせる。店内にある本は自由に手に取れるからこそ、訪れる人々はこのような本との「偶然の出会い」を楽しみにしているんやな。
いろんな歌集があるけど、「歌で大阪を感じたいなら」と、池上さんが大阪出身の歌人の本や大阪大学の短歌集を教えてくれた。短歌は日常の一瞬を切り取り三十一音で表したもの。ハッキリとした地名は出てけぇへんけど、見たことがある大阪らしい風景がぼんやり浮かんでくる…。短歌を手掛かりに大阪観光を楽しむのも新しいかも。※これは2023年12月現在の情報です。(M.M)
- 住所:大阪市北区中崎西1-6-36 サクラビル1F
- アクセス:OsakaMetro谷町線 中崎町駅2番出口から徒歩約2分
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