旅行といえば、昼間は観光、夜は宿に戻って…というスタイルが主流。でもこのゲストハウスはちょっと違う。まず、この宿にはスタッフが常駐していない。泊まり客は自由に出かけるも良し、併設された畑仕事を手伝うも良し、自室や広い共有スペースで寛いだり、泊り客同士で語り合うも良し。

そして共同のキッチンで、皆にふるまう料理を作るなど、何もかもが自由なのだ。その様子はまさに「旅」というよりは「暮らし」。築100年以上という風情ある古民家での生活を、肌で感じることのできるという、まったく新しい体験施設なんや。

約1年かけて、オーナーさん自らの手でリノベーションしたという家屋は、新旧が合わさった、なんとも温もりのある雰囲気に仕上がっている。古い木材は極力残しながら、必要に応じて新しい板を使う等、そのアンバランスさも、どこか愛おしい。

ミシミシ音をたてる階段をそっと登っていくのも、ちょっとしたワクワク感を誘う。その味わい深さが話題となって、コロナ時代のお客が絶えていた頃、ホラー映画のロケ地として使用されたのだとか。家屋だけやない。もともとあった日本庭園や鳥居、神殿はお客さんに喜んでいただけるようそのまま残し、さらに広い畑ではイチゴやレタスなど、あらゆる野菜を栽培している。

そしてもうひとつ、何と言ってもこの宿の魅力は、国際色が豊かなこと。取材当日も、ハワイ、イングランド、スロバキア等、様々な国からはるばる日本へ来てくれた外国人さんらが泊まっていた。日本人客も交えて、言葉の垣根を越えて楽しく語らい、笑いあう。スマホの翻訳機があれば、英語が苦手でもまったく問題ない。

100年前にできた建物の中で、最新機器を使用しながら、非日常的な空間を楽しみ尽くす。この滅多にできない体験、ちょっとクセになりそうやわ。ラグビーの聖地で知られる東花園にあるこちらの宿、ぜひいっぺん、足を運んでみてな。※2024年4月現在の情報です。(I.R)

住所:東大阪市吉田3-8-16
アクセス:近鉄東花園駅から徒歩12分

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