新世界界隈のB級グルメといえば、真っ先に「串カツ」が思い浮かぶけど、その理由って何だか知ってる人、います? 戦後、労働者たちが大勢いたこの地では、誰もが仕事で忙しいから、サクッと食べて、チャチャッと仕事に戻れる。そういう食べ物が人気で、注文したらすぐに出てきて、その気になれば歩きながらでも食べられる「串カツ」が一躍メジャーになったということなんや。…と語ってくれたのが『てんぐ』の店員さん。この店は昭和23年創業以来、ずっと串カツ一筋なのだそう。店によっては、具材に若い子向けや海外からのお客を意識したものを取り入れる場合もあるらしいねんけど、この店はメニューまで創業当時からほぼそのまんま。「よそに比べたら半分くらいよ」と語りつつも、どこか誇らしげ。敢えて新しさを取り入れず、“昔ながらをそのまんま”っていうのは、串カツ職人たちのプライドなんやろうなぁ。店内は、厨房をぐるりと囲むかたちで全席カウンター。自席から「串カツと玉子ちょうだい!」「ビール追加、生で」のように厨房内に声をかけて注文するスタイル。昔なら、これが当たり前やったけど、セルフ注文やQRコード注文の店が次々と進出する時代。こういう店って貴重やなーって心から思うわ。アッツアツ・サックサクの衣のついた串カツと、4時間かけて白味噌でトロトロに煮込んだどて焼きが食べたくなったら、まずはこの店。いいことがあった日も、なんだか不調な日にも、1日の帰りにこんな行きつけの店があれば、元気も活気もみなぎってきそうやわ。※これは2024年4月現在の情報です。(I.R)
- 住所:大阪市浪速区恵美須東3-4-12
- アクセス:OsakaMetro御堂筋線動物園前駅から徒歩約4分
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