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江戸時代、日本中に広まった「旅籠屋」の名残が今も息づく老舗宿、古民家をリノベーションした個性が光る宿、観光地のど真ん中にある老舗和ホテル。大阪には、昭和、大正、明治時代のノスタルジーな魅力を残す宿が数多く存在する。当時の趣をそのままに、まるで時を止めたような懐かしさに耽るひとときは、旅にさらなる豊かな彩りを与えてくれる。ロマン香る雰囲気の宿で、大阪旅行がより特別なものになりそう‥‥

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ACCOMMODATION

おすすめの宿

旅館
古民家・民宿

旅館

JAPANESE HOTEL
1
大阪市中央区

大和屋本店

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道頓堀にある、創業100年を越える由緒正しき和風旅館。繁華街観光のあとは、美味しいフグ料理に舌鼓!

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大阪に泊まって効率よく観光スポットを巡ろうと思ったら、その中心街で宿をとるのが一番。ここ『大和屋 本店』は、大阪随一の繁華街・道頓堀に面して建つ、この界隈では唯一の和風旅館なんや。ミナミも商店街も徒歩圏内。交通の便の良さと、日本スタイルの和の情緒を楽しみたい人には、ピカイチの旅館やな。 創業100年以上という伝統があるけど、リニューアルされていて清潔感もお洒落さも抜群、近代的な設備はキッチリ整ってるから安心して大丈夫やで。入口から木目を基調にした和の香りただようフロントロビー。窓からはすぐ傍に道頓堀川が流れている。 その道頓堀を取り囲むかのように、色とりどりのド派手な看板がデカデカと建ち並んで、いかにも「大阪やで~!」っていう光景が楽しめる。客室はすべて和室。少人数のお部屋から、最大100人収容可能な宴会室もある。 お楽しみは、それだけやない。この旅館では料理が美味しいことでも有名なんや。その中でも皆さん、喜ばはるのが「ふぐ料理」。大阪以外の人って、あんまりふぐ、食べへんねんてな。だからここへきたら、てっちり、てっさ、ふぐの懐石料理など、フグ料理は絶対食べてみて。 他にも季節に合わせた懐石料理が人気で、お泊りじゃない、ランチだけ、夕飯だけ、っていう料亭的な使い方もOK。大阪に住んでいても、ちょっと贅沢な大阪でのお泊り…、なんてプランも楽しそうやな。※2024年2月現在の情報です。(I.R)

住所:大阪市中央区島之内2-17-4
アクセス:OsakaMetro御堂筋線日本橋駅から徒歩5分
https://www.yamatoyahonten.co.jp/

2
大阪市中央区

旅館くら本

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大阪・ミナミで和室旅館をお探しならココ!道頓堀すぐそばで、くつろぐ

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大阪市内の繁華街にほど近く、観光アクセスに非常に便利な立地。そんな都会の真ん中で全室和室という老舗旅館で泊まるっていうプランはどうでしょう? 現在の建物は1983年築だけど、実は創業1954年という深い歴史をもつ。 この旅館の1番の楽しみといえば、晩ご飯が「たこ焼き」ってこと。目の前で焼いているところを見られるから、まるで大阪の友人宅へ遊びにきたみたい。このたこ焼きをメインにした懐石料理が人気やねん。「夕飯は外食じゃなくて、旅館でゆっくり食べたい。でも大阪らしいものを食べたい」って方にピッタリやろ? 部屋のタイプは4つあって、人数に合わせて部屋の大きさを選択可能。最小1人、最大6人まで1部屋に入れるから、個人だけじゃなくてグループで来ても一緒に泊まれる。中には、窓から石が敷き詰められた小さな庭園が見れるお部屋もあって、 ここが大都会の真ん中とは思えない。しっぽり・ほっこり落ち着かせてくれる。 「現在の良さを残しつつも、変えるべきところは変えていかないと。変えるのはちょっと寂しいけど…。」と、若干の物悲しさを交えて語るのは、3代目の倉本久昭さん。道頓堀を含む大阪のミナミエリアはインバウンド客も多く、 街が猛スピードで変わっていく。時代の変化に対応しながら、伝統と個性的な魅力を守ろうとする、そんな旅館だった。※2024年3月時点の情報です。(R.N)

住所:大阪市中央区島之内2丁目11-7
アクセス:OsakaMetro堺筋線長堀橋駅から徒歩約8分/OsakaMetro御堂筋線心斎橋駅から徒歩約16分
https://ryokan-kuramoto.com/index.html

3
箕面市

明治の森箕面 音羽山荘(おとわさんそう)

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1日1組限定のレトロ宿!大正時代築の日本邸宅で風情豊かな懐かしさを過ごす

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阪急箕面駅から滝道に沿って歩いていくと、大正ロマンを彷彿とさせる和風建築物が現れる。思わずなんやろうと入ってしまいそうになる。実は大正時代に建築された邸宅をリノベーションした90年以上の歴史がある旅館。 まずは外側から眺めて、いろいろな角度からじっくり味わってほしい。門をくぐると、まず箕面の豊かな自然をいかした和の趣を感じる庭が目に飛び込んでくる。「人工的じゃなく、自然のままを見てほしい」という想いから、できるだけ手を加えず管理している。 庭には、山茶花(さざんか)・椿など、多様な季節の花が咲く。青紅葉の時期には、緑のアーチがより一層美しい姿を魅せるから、特に見て味わってほしい庭なんや。1日1組限定の客室は、和テイストの広々した空間。建物の中心に位置してるから、窓の向こうにはこだわりのお庭が広がって、季節ごとの景色を独占できる。 旅館の窓ガラスは、ほとんどが大正ガラスで、透かして景色を見ると普段とは異なる風合いがあるから、開けたり閉めたりして見比べてみてほしい。この宿のコンセプトは「“豊かさとは何か”を、お客さん自身に考えてもらうこと」。 そのために、ラウンジでは、珈琲豆を挽いて淹れる、レコードを選んでアナログ音を味わう、普段は読まない本を読むといった、昔ながらの過ごし方が楽しめる。スマホから離れて郷愁に触れながら、新たな気づきに出会ってほしい。 ※2024年3月時点の情報です。(R.N)

住所:箕面市箕面公園1-3
アクセス:阪急「箕面」駅から徒歩約8分
https://sansou.otowa.ne.jp/

4
河内長野市

あまみ温泉『南天苑』

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大正2年に堺市に建築された有形文化財 “幻の建築”と評される由緒正しき温泉旅館

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建築物にも“奇跡”ってのがあると思う。そう感じさせてくれた理由は、この『南天苑』の運命的な歴史物語。実はこの旅館の建物、大正2年に大阪府堺市で、温浴施設の別館として建築されたものなんや。 建築したのは、巨匠・辰野金吾氏。建築に詳しい人にとっては神様みたいな存在の方なんだとか。それが昭和9年、室戸台風で浸水被害に遭って多大な損害を被った。 そんなとき、たまたま南海電鉄が温泉復興の開発にのりだしたということがあって、「それならば」とこの別館をそのまんま、今の河内天野市の今の場所へ移築したんやって。 そうまでしてでも後世に残したいほどの立派な建築物やったってことやなぁ。その後、第二次世界大戦で、堺市に残ったほうの本館は潰れてしまってんけど、河内長野に移築したほうの別館だけが、奇跡的に戦火を逃れて今に至ってるねん。 もし室戸台風がなかったら。もし河内長野に移築していなかったら。この旅館はこの世になかった。そう思うと建ってることが“奇跡”なんや。なんかゾクゾクするやろ?この“奇跡”に想いを込めて、ご主人も女将さんも、「古いところは残していく」ことにこだわってはる。 建物だけじゃない。置いている家具や装飾品はすべてご主人が趣味で集めた骨董品。それから四季折々の植物や花をあしらった見事な庭。部屋に飾られた生け花も、ロビーで出してくれるお茶の葉も、この庭から摘み取ってきたものを使ってるねんて。 これこそ、日本が世界に誇る、究極の“おもてなし”の心やなぁ。大阪の中心部から電車でおよそ1時間ほど。そこには、数々の運命を乗り越えた“奇跡の建築物”が、今を息づいている。※2024年2月現在の情報です。(I.R)

住所:河内長野市天見158
アクセス:南海電鉄天見駅から徒歩1分
https://www.e-oyu.com/

5
富田林市

ご婦人乃宿 泊や

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明治時代に建築された佇まいをそのままに 寺内町にある大人女性専用の宿

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大阪府内で唯一の国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている富田林市の寺内町。瓦葺屋根の住居や寺院が建ち並ぶ一角にあるこの宿は「18歳以上の女性専用」と謳う、一風変わった特徴を持つ。 その理由は、1階のすべてを共同スペースにしているから。個室は一切なく、畳敷きの広い和室に布団を敷いて、いわゆる“ざこ寝”をする。そしてリビングにある大きなテーブルで、誰もが好きなときに好きに食事し、たまたま一緒になった客同士で談笑したり、親睦を深めたりする。 お客さんは殆どが1人旅を楽しむ女性。こうした人との交流を楽しみにしている。風情溢れる建物は、明治時代後期に建てられたもの。そこから、水回りと耐震工事のみを施し、他は一切触っていないんやそう。 何故、このような宿を作ろうと思ったのか? 宿主さんである彼女はワーキングホリデーでの海外暮らしの経験があり、その英語を忘れないために、帰国してからも外国人との交流を続けたかったとか。その学びの姿勢には賞賛を感じずにはいられへんよなぁ。 取材時にたまたま泊まっていた女性も韓国からの留学生。宿主さんは「〇〇ちゃん、おかえり」と親しげに呼び「どこ行ってたん?」と気さくに話しかけ、まるで実家で迎えるお母さんのようだった。 仕切りのないオープンな部屋は、プライバシー重視が当たり前の今の時代、新鮮でどこかあたたかい。大阪でこんな優しい場所に出会えて、またひとつ嬉しさを感じた。※これは2024年3月現在の情報です。(I.R)

住所:富田林市富田林町12-3
アクセス:近鉄南大阪線富田林西口駅から徒歩7分
http://tomari-ya.com/

古民家・民宿

JAPANESE FOLK HOUSE, B & B
1
東大阪市

TAKIO Guest house

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築100年の古民家を改装 「暮らす」ように旅ができるゲストハウス

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旅行といえば、昼間は観光、夜は宿に戻って…というスタイルが主流。でもこのゲストハウスはちょっと違う。まず、この宿にはスタッフが常駐していない。泊まり客は自由に出かけるも良し、併設された畑仕事を手伝うも良し、自室や広い共有スペースで寛いだり、泊り客同士で語り合うも良し。 そして共同のキッチンで、皆にふるまう料理を作るなど、何もかもが自由なのだ。その様子はまさに「旅」というよりは「暮らし」。築100年以上という風情ある古民家での生活を、肌で感じることのできるという、まったく新しい体験施設なんや。 約1年かけて、オーナーさん自らの手でリノベーションしたという家屋は、新旧が合わさった、なんとも温もりのある雰囲気に仕上がっている。古い木材は極力残しながら、必要に応じて新しい板を使う等、そのアンバランスさも、どこか愛おしい。 ミシミシ音をたてる階段をそっと登っていくのも、ちょっとしたワクワク感を誘う。その味わい深さが話題となって、コロナ時代のお客が絶えていた頃、ホラー映画のロケ地として使用されたのだとか。家屋だけやない。もともとあった日本庭園や鳥居、神殿はお客さんに喜んでいただけるようそのまま残し、さらに広い畑ではイチゴやレタスなど、あらゆる野菜を栽培している。 そしてもうひとつ、何と言ってもこの宿の魅力は、国際色が豊かなこと。取材当日も、ハワイ、イングランド、スロバキア等、様々な国からはるばる日本へ来てくれた外国人さんらが泊まっていた。日本人客も交えて、言葉の垣根を越えて楽しく語らい、笑いあう。スマホの翻訳機があれば、英語が苦手でもまったく問題ない。 100年前にできた建物の中で、最新機器を使用しながら、非日常的な空間を楽しみ尽くす。この滅多にできない体験、ちょっとクセになりそうやわ。ラグビーの聖地で知られる東花園にあるこちらの宿、ぜひいっぺん、足を運んでみてな。※2024年4月現在の情報です。(I.R)

住所:東大阪市吉田3-8-16
アクセス:近鉄東花園駅から徒歩12分

2
大阪市城東区

宿本陣蒲生

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明治42年建築の古民家をそのままに 1棟貸しのスタイリッシュな宿

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第二次世界大戦時、大阪市内の多くの街は戦争の被害に遭った。そんな中、奇跡的に被害がなく、今もその面影を残している街がある。そのひとつが大阪城近くにある「蒲生四丁目」という地域。 この宿はその中でもかなり良い状態で、建築当時そのままの様子を今に残している貴重な存在。建物の基礎である梁や柱は取り替えられることさえなく、「ほぼ当時のまま」。手で触れるとしっとりと年月の重みを体感できるような味のある風情が感じられる。 宿の名前となっている"本陣”のもともとの意味は、江戸時代に発令された参勤交代で大名や幕府役人ら、いわゆる“殿様方”が泊まる宿屋。それにちなんでこの宿も「殿様が泊まる部屋」をイメージし、時代を超えて現代のお客様にも喜んでもらえるよう内装されている。 しかも広々とした1棟貸しでこのお洒落な空間を独占することができる何とも贅沢な時間。家族はもちろん女子会でも人気で、食事は宿近辺の古民家レストランと提携しており、懐石料理、ふぐ料理、イタリアンなどをリクエストすると、各飲食店のオーナーがニーズにあったお店を紹介してくれる「町のレストラン」がコンセプト。古民家に泊まって、また別の古民家で食事をいただく。 都会の真ん中でありながら、歴史と情緒が感じられる新しい旅のスタイルが確立されているのがこの宿の最大の魅力。ホテルにはない温かさと和風旅館のような落ち着きがある。築100年以上の由緒正しき建物で、他の誰にも邪魔されることのない非日常な空間で、心豊かな時間を思いのままに過ごしてみてはいかがでしょうか。※2024年4月現在の情報です。(I.R)

住所:大阪市城東区4-7-18
アクセス:OsakaMetro蒲生四丁目駅から徒歩6分

3
堺市

SAKAINOMA HOTEL 濵 旧福井邸

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旧リゾート地の元別荘で特別な1日を過ごす

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浜寺といえば、かつては大阪の商人たちの別荘が点在する閑静なリゾート地だった。その一角に佇むこの一軒家は、昭和17年に建てられた別荘。 戦火を免れた建物には、オーナーの祖母が所有していた着物、100年近く受け継いできた節句の人形など、家族の思い出が色濃く残されている。そんな場所を改築するきっかけとなったのは、2018年9月に発生した台風21号による建物の損壊。瓦の屋根などの修理とともに改築を進めて、2021年12月に一棟貸しのホテルとしてオープンした。 玄関の扉を開けて足を踏み入れると、外の世界からは感じられない、まるでタイムスリップしたようなレトロ感あふれる情緒が……。天井を見上げると、建築当時から屋根を支える木の柱たち。一部には、建築時に書かれたであろう文字が掠れて残り、その歴史をまじまじと感じさせる。 特におすすめの場所は、扉も当時のままになっている洋室。アンティークなドアノブをひねると、ロッキングチェアや装飾品が並び、シックで落ち着いたロマンを感じる空間が現れる。懐かしい昭和の空気を感じながら仲間や家族と談笑すれば、何事にも代え難い忘れられない時間になるだろう。 ほかにも、季節の木々や花を眺められる庭を散歩したり、縁側で心地よい風を感じたり、五右衛門風呂で汗を流すなど、日本の昔を味わう絶好の機会に……。すべてに昔の別荘としての足跡が感じられる空間で、落ち着いた優雅なひとときを全身で堪能してほしい。 「濵」の隣には、代々続く鋳物問屋のルーツを受け継ぎ、鋳物製品を展示販売している店舗が。こだわりのアイテムを覗きに、是非立ち寄っていただきたい。※2024年6月時点の情報です。(R.N)

住所:堺市西区浜寺元町6丁-874-15
アクセス:JR阪和線鳳駅から徒歩約11分/南海本線浜寺公園駅から徒歩約20分
https://sakainoma.jp/