かつては、商人達が通りを歩きまわっていた昭和時代。船場界隈は、ビジネスマンが行きかう、商売で栄えた街やった。そんな商人達の大阪のビジネスホテルとして大正12年に「澤野ビルヂング」として建てられたこの建物は、当時の雰囲気を受け継ぎつつ、時代ごとに少しずつ変化しながら、今に至っている。ビルの中の見学はいつでも自由にできるから、いっぺん入ってみて。建築に詳しい人なら一目でわかると思うけど、ビル全体がアールデコ調っていって、曲線や円形をふんだんに使ったデザインに設計されてるねん。だから、何ていうかこう、柔らか~であたたか~な雰囲気やねんな。廊下に沿って並ぶ扉はどれも小さいけれど、ここがかつてホテルだったことを思えば、なるほどな~って頷けるわ。1階では、お洒落なフレンチレストラン『macua(マキュア)』さんが営業してはる。内装は白を基調としたシンプルで清潔感のあるインテリアながら、建築物の特徴はしっかりと受け継ぐかのように、基礎のレンガ内壁をちゃんと見せるよう、透明のガラスを重ねたデザインが、ほんま、美しい。せっかくのレトロビルの素晴らしさを、次世代へ受け継ごうという強い意志が、オーナーさんとテナントさんで、お互いに尊重しあっているから、こんな温かな関係が築けるんやろな。大阪が誇る、国登録有形文化財にもなっている名所やから、ぜひ足を運んでみてな。※2024年1月の情報です。(I.R)

住所:大阪市中央区伏見町2丁目2-3
アクセス:大阪メトロ北浜駅から徒歩3分
https://osaka-bunkazainavi.org/bunkazai/伏見ビル

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